包丁

こちらの包丁は清川先生が20年以上使用しているものです。

お寺や神社の修復をするときは、高いところでの仕事も多いため、下の職人さんの頭に落ちないよう、いつも腰にくくっていたといいます。

さやも包丁もすべて手作りだそうで、この包丁が仏像やお寺の修復などで使用されていたと思うと、とても神々しく感じます。

 


日本の包丁は海外の方々にも人気があり、京都の金物屋さんでは包丁研ぎの体験講座なども設けられています。

板前さんは包丁研ぎから一日が始まると言いますが、私も清川先生が工房で包丁を研ぐ姿をよく見かけます。

「包丁は片面を触ったときにチリチリとなったら、うまく研げている証拠だよ」と教わりました。

そのチリチリという感覚を身につけるのも、意外と大変です。

 

この包丁、本来はもっと長かったそうですが、研いでは使いを繰り返すうちに、短くなっていったそうです。

昔、鉛筆をぎりぎりまで使うことに喜びを見出していましたが、包丁でもそれが出来るのだとわかり、嬉しくなりました。